パーキンソン病の治療法開発が大きく前進!人のES細胞で症状改善を霊長類で確認

パーキンソン病を発症したサルの脳にヒトES細胞から作った神経細胞を移植した結果、パーキンソン病の症状が劇的に改善されたとの研究報告が京大の研究グループによりなされました。パーキンソン病の治療法開発が大きく前進したこのニュースの詳細情報です

パーキンソン病とは

1817年にイギリスの医師、ジェームズ・パーキンソンにより初めて報告されたことにちなんで「パーキンソン病」と名付けられたこの病気は、環境にある有害物質や遺伝など何らかの原因によって、神経伝達物質であるドーパミンが減少することにより、脳からの信号を筋肉にうまく伝えることができず、人間本来のなめらかな動きができなくなってしまう病気です。

このパーキンソン病を発症すると、手足が震え(振戦)、筋肉のこわばり(筋固縮)、動作の開始が困難となり、動作自体も全体にゆっくりと小さくなる(無動)、身体のバランスがとりづらくなる(姿勢保持反射障害)の4つの特徴的な運動症状が出るほか、便秘や垂涎、低血圧排尿障害などの自律神経症状、さらに睡眠障害や感情鈍麻、抑うつ症状などの精神症状があらわれることがあります。

これまでのパーキンソン病の治療は、これらの症状に対処するための薬物による対症療法的な治療がメインで、それと平行してパーキンソン病の進行を遅らせる治療や、食事療法、リハビリテーションなどの生活療養も合わせて行われているようですが、パーキンソン病を根本的に治癒する治療法はまだ見つかっていませんでした

パーキンソン病のサルに人のES細胞を移植し症状改善を確認

そんなパーキンソン病の治療法を開発するため、京大再生医科学研究所の高橋淳准教授らによる研究グループによって、ヒト胚性幹細胞(ES細胞)から作った神経細胞を、薬物などを使って人為的にパーキンソン病を発症させたカニクイザルの脳に移植した実験が行われていましたが、今回、その治療効果が確認できたとの研究発表がなされたようです。霊長類を使っての治療効果確認は世界で初めてなんだとか。

ES細胞の移植前には、手足がふるえ、ほとんど歩けない状態だったカニクイザルが、6ヶ月後には手足のふるえが治まり、時々おりの中を歩き回るまでに症状が改善し、さらにその状態が12ヶ月目まで続いたのだとか。脳内を調べたところ、移植した神経細胞がカニクイザルの脳内で生着し、新たにドーパミンが作られている様子も確認できたそうです。

iPS細胞を使ったパーキンソン病治療法確立へ 3年後には臨床試験も

さらに高橋准教授によると、ヒトES細胞だけでなく、倫理的な問題を解消できるiPS細胞を使った実験も平行して行われており、こちらも移植した神経細胞が半年間生着して正常に機能していることを確認できているんだとか。今後はパーキンソン病の患者の細胞からiPS細胞をつくり、それをカニクイザルの脳内に移植して、その治療効果と安全性が確認できれば、2015年~2017年には人を対象とした臨床試験を実施したいと語っているそうです。

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